2009年10月23日 (金)

『金蔵連分教場』が誕生しました。

 2009年10月10日。
金蔵連(ごんぞうれ)の矢澤宗次・百百子ご夫妻のご好意で、『カエルの分校・金蔵連分教場』が誕生しました。
 金蔵連分教場は、足助の中心地から、巴川、神越川、金蔵連川と遡った最奥の集落『金蔵連』手前1.2Kmほどの田んぼを中心としたところで、標高は570mほどです。
091009r0015203_2
 ↑ 金蔵連の田んぼ風景。
ハザ架けのお手伝いをする白井さん、野口さんたちです。 (2009.10.10 嵯峨さん撮影)
Dscn2533_2
 ↑ 田んぼに入れる前に、沢の水を暖める水辺です。
従来、冬場は水を落としていたのですが、今後は生きもののために、年間を通じて水を入れていただくことになりました。 (2009.10.10)
Dscn2466t
 ↑ アキアカネの連結打泥産卵です。 (2009.10.10)Dscn2896_2 
 ↑ ミヤマアカネの♀です。 (2009.10.15)
Dscn2857
 ↑ 金蔵連の田んぼ (2009.10.14)Dscn2891_4
↑ 金蔵連の集落です。
6軒、13人が暮らしています。足助町最後の町、長矢澤長介さんは、ここの住人です。 (2009.10.15)

 これまで、『カエルの分校』の有志は、高齢の矢澤さんご夫妻のコメ作りを、時々お手伝いしながら、金蔵連の昔ながらの自然を観させていただいていました。
 金蔵連で観ることの出来る主な生物としては、トンボは、ミヤマアカネ、ノシメトンボ、アキアカネ。今年はオジロサナエや、ミルンヤンマなどが確認されました。
 蛙では、モリアオガエル、ヤマアカガエルなど。
 植物では、アメバチソウ、キセルアザミ、ヤマナシなどがあります。

 今年の田んぼは、台風18号の被害に遭い、ハザ干ししていた稲のハザが倒れ水に浸かるなどしましたが、分校の人たちの応援で、ハザの作り直し、ハザ干し、脱穀と済んで、10月20日、無事精米所へ搬入出来ました。  矢澤さんも、とても感謝してられました。みなさまのご協力に感謝申し上げます。
Dscn2492_2  ↑ ハザを造り直す矢澤ご夫妻と伊豫田さんです。 (2009.10.10)Dscn2835t
 ↑ 脱穀を手伝う迫さんです。 (2009.10.14)
Dscn2919  ↑精米所でモミを下ろす伊豫田さんです。 (2009.10.20) 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年6月18日 (日)

『カエルの分校』の名前の由来

 山間に放置された田んぼを、かつての棚田のようにして 『なつかしい生きものの生息空間』にして行くことは、
10年ほど前から、少しずつやっていました。


 たまたま、私の住む学区内にある明治時代からの農業用ため池が、当初の役割が用水に代わったこともあり、PTAなどの新住民の要望で、駐車場とグランドにしようとの話が出て来ました。
 学区内では、もっとも自然が残る貴重なエリアでしたから、何とか埋め立てを止めれないものかと、いろいろ動く中で、同じ想いの輪が広がりました。

 ため池は埋め立てられずに、自然と人間が共生できる公園として残ることになったのですが、安心していたのも、つかの間、公園化工事が始まると、昔からの池や、周囲の木々までもが、ブルドーザーで削りとられ、コンクリートの上に石組みの護岸がされたていたことでした。
 堰堤側は、決壊を考えれば、強度や耐用年数の関係で理解できるのですが、それ以外の水辺までが自然には程遠い姿になってしまい、カワセミや、イタチの巣穴も消えていました。

 永い年月で出来上がっていた水際こそが、生態系の命だったのですが…。

Photo_1 ため池が残ることは、それまでの自然が残ると、単純に考えていた私たちには、とてもショックでした。
 さっそく、関係者へお願いに行き、第二期工事では、大幅な設計と工法の変更をしていただきました。

 そして、こう決断したのでした。
埋め立てられずに、池としては残ったことを良しとして、新池の自然の再生は、これから時間をかけて、自分たちでやって行こう…と、前身である 『竹村新池自然再生G』 がスタートしたのでした。
 メンバーには、地元だけでなく、自然観察会を通じて知り合った、たくさんの人たちが入り、サポートしてくださいました。

 活動が活発になり、仲間も増える中で、名前が長いねとか、活動の範囲とあってないね…とかの声が聞かれるようになり、それではと決まったのが、
『カエルの分校』でした。





Dscn3833Dscn4748 カエルは、身近で、なつかしい生きものの代表として、
そして、分校のみんなが、子どもにカエル、作業を終えて無事カエル、との想いを込めました。


Dscn9038 分校は、自然豊かな山あいの心のシンボルであり、
学びの場として決めました。
『カエルの分校』は、心の中にある小さな学校です。
私たち分校の仲間が、全員生徒です。
一クラスだけの複式学級で、誰が何年生か不明です。
先生は、自然です。
みんな、同じ教室で、わいわい、がやがやと、仲良くやっています。
対外的なことがあるので、一応、代表を置いていますが、小使いさんのつもりです。何でも、言って来てください。 一緒に考え、行動したいと思います。

           小使いさんの      やまね



 なお、『カエルの分校』が、
かつての棚田の自然を再生し、「なつかしい生きものの生息空間」としているところも 『カエルの分校』 と呼ばれるようになりました。
 きっかけは、朝日新聞の取材を受けたときの遠藤記者の発案でした。



  
画像の上でクリックすると、写真が大きくなります。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

生息空間づくりの決め事  (カエルの分校の場合)

   『カエルの分校』が、生きものたちの生息空間づくりをするときのポイントです。

 仲間たちと同じ思いで取り組めるよう、そして、次の時代に引き継いで行くため、

生きものたちのためには、どうすべきか…との視点で考え、明文化しました。


  『なつかしい生きものの生息空間づくり』

                       私たちの場合 
 
  
①元からその地にあった自然の再生を目指す。
  ②生きものたちと人間の共生を図る。
  ③水が確保できる場所を選ぶ。
  ④出来るだけお金をかけず、手弁当で。
  ⑤出来るだけ、人工物は持ち込まない。
  ⑥外来種、園芸種は、持ち込まない。
  ⑦材料は、環境への負荷の少ないものを使う。
  ⑧子どもたちの体験や学びの場として活かす。
  ⑨生息空間を各地に広め、緑の回廊として活かす。
  ⑩理解者、仲間を増やし、次の世代に引き継ぐ。

 
なお、新しいことをやるときに、判断に迷ったときは、生きもののためにはどちらが良いかで決める。 人間側の都合で決めない。
                                                          Dscn6771  Dscn9767         
Dscn5704




 
 画像の上でクリックすると、写真が大きくなります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『カエルの分校』を始めた理由

      Dscn1135
 昔は家や田畑の周りに、ごく普通にいた身近な生きものたちが、いつのまにか全国各地で姿を消しています。
 そして、それらの原因を探ると、私たち人間の犠牲になっている場合がほとんどであることに気づかされます。

Dscn6478 例えば、稲作文化と共に田んぼの周りで生き続けて来たトノサマガエルやアキアカネも、平地のほとんどの田んぼから消えていますが、その主な原因は良かれと思ってやってきた乾田化や、コンクリートの三面張り、パイプライン化などの農業の近代化と、私たちのライフスタイルの変化でした。

 アキアカネは、唱歌『赤とんぼ』に歌われた日本を代表するトンボです。
夏から秋、田んぼに行くと今でも似たトンボが多数舞っていますが、東南アジアから世代交代をしながら北上して来るウスバキトンボで、成熟してもアカネ属の赤とんぼのように赤くはなりません。
 草花なども、きれいなものは盗られたり、そうでないものは雑草として取り除かれ、園芸植物などに、とって代わられています。
 
Dscn9172 絶滅危惧種に指定されていなくても、地域単位で見ると、かつての身近な生きものや草花が消えているのですが、あまり注目されることもありません。
 私の住む学区ではアザミの花が消えて久しく、アザミの写真を見ても何の花か判らない児童が大半です。 
代わりにたくさんの園芸植物が、道路際や、ちょっとした空間に良かれと思って植えられています。

 きれいなもの、好みのものだけを大切にするだけで本当に良いのでしょうか? 
 昔から、それぞれの地域に、いろんな植物があり、その中で、たくさんの生きものが生き続けて来たのですが…。
 永い年月、人間と共にあった、それらの生態系に配慮しないで本当に良いのでしょうか?


Dscn8650 一方、高齢化や過疎化などで、山間の田んぼでは耕作を止めているところが増えています。
 これらは、数年も経つと、大雨やイノシシなどの影響で畦が崩れ、土砂が流入し、田んぼの面影は消え、湿地としての機能もなくなり、防災や景観上も良くありません。

 ここ30年ほど、経済的にゆとりが出来たこともあり、バードウオッチングとか、100名山など、自然志向の人が増えています。

 私自身も長い年月、各地の野山を歩いたり、観察会の案内などをして来ましたが、参加者や自然と接している人々を観察していると、自然への関心は高くなってはいるものの、悪化する自然に対して嘆いたり、楽しむだけであったり、開発は反対と言うだけで、実践が伴わない人がほとんどのように感じています。

 「ここで観察出来なくなったら、観察できる場所へ行けばよい…」 車社会になって自由度が増したせいか、そう考える人が多くなり、身近な自然を大切にする気持ちが薄らいでいるように思います。そのような人たちは、本当に自然を慈しんでいるとはとても言えず、おいしい所だけ漁っている悲しい人たちです。

 身近な自然とは、私たちが住んでいる地域の自然であり、子供たちにとっては、原風景となるふるさとの自然なのです。

 そう言う私自身も、それらの人々とあまり変らず自然と接して来たのですが、あるとき、このままのスタンスでいては、自然悪化に歯止めが掛からないことに気づきました。

Dscn2345_ そこで、これまでの自然から受けた恩返しに、自分にも出来ることとして始めたのが、山間に放置された田んぼを、周囲の山ごとお借りし、『なつかしい生きものたちの生息空間』 (『カエルの分校』) として、維持管理することでした。
私たちの世代は、日本の自然が豊かで、その恵を受け、子どもたちの遊び場でもあったことを知っています。
 その頃の自然を再現し、自然との付き合い方を伝えて行きたいと思います。

 

Dscn2355_ 水が確保出来、わずかでも生きものが残っている所を探し、地主さんを訪ね、目的を告げると、どなたも気持ちよく貸してくださいました。
 中には、何十年も経って大きな木が生えているところもありましたが、ほんのわずかでも水辺が残っているところには、かろうじて、わずかな生きものがいたのです。

 水辺を広げ、彼らが少しでも棲みやすい環境づくりのお手伝いをする…。
私を理解し、応援してくださる方もいましたので、そんなことを少しずつやって来たのでした。


Photo 週に2~3時間の作業をするだけでも、続けることで効果は出て来ました。
山で作業をしていると、四季折々、いろんな草花や生きものに出会えます。
 昨年まで見ることがなかったものを見つけたときの喜びなどが、後押しをしてくれました。
 備中や鎌を振るったり、何よりも大切な水の管理、イノシシに荒らされた畦の補修などをやる中で、お百姓さんの苦労が、少しは肌で感じることが出来たように思います。

 
Dscn2259  
幸い、多くの方々のご支援を得て、仲間も増え、数箇所の『なつかしい生きものたちの生息空間』 (『カエルの分校』) を維持管理できるようになりましたが、更にみなさんのご協力を得て、全国各地へ『カエルの分校』活動の輪を広め、なつかしい生きもたちが絶えることのない日本にしたいと思っています。



Dscn4080 永い年月に渡り、お百姓さんが苦労して米作りをして来た全国各地の山間の田んぼが、高齢化や過疎化の中で姿を消そうとしています。
 田んぼが消えることは、田んぼと共に生きて来たたくさんの生きもの、生態系、景観が消えることなのです。
 米作りを継続できるのが一番なのですが、そこまで手が回らないなら、ぜひ、『なつかしい生きものたちの生息空間』 (『カエルの分校』) として維持して見ませんか。 仲間が3人集まれば、何とかやれます。



Dscn6025  おかげさまで、生息空間の一つである 『風の谷』や『カエル谷』では、56種類のトンボが確認されています。
 ただ、旅の途中で立ち寄ったものや、ふらっと来たトンボもありますので、トンボたちが棲み続けたくなるような、そんな生息空間の維持に努めたいと思います。

 今年は、『カエル谷』に、初めてアカショウビンが来てくれました。

  2006年初夏  『カエルの分校』代表 大内(やまね)



    
 画像の上でクリックすると、写真が大きくなります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『カエルの分校』について

Dscn6081   












 自然再生NPO『カエルの分校』 は、
なつかしい生きものたちが絶えることなく、次の世代も生き続けられるよう
次のような活動をしています。

①耕作を止めた谷間の田んぼを、周囲の山ごとお借りし、なつかしい生きものたちの生息空間としての維持管理。
②公園化工事で損なわれた、かつての農業用ため池と、せせらぎの自然の再生。 (竹村新池公園) …50年後、100年後を夢見ての取り組みです。
③自然体験を通した子どもたちの健全育成。
④自然観察会や自然教室の開催と支援。
自然からのメッセージの伝達
  …『公園歳時記』 『新池フォト・アルバム』 『分校だより』の発行。
正しい自然観の育成と啓発…出前授業、交流館事業との連携、講演など
ため池の保全のための調査、提言、啓発活動。
  …愛知県ため池保全委員会のメンバーとして、ため池が、より良い形で後世に引き継がれるよう努めています。 (委員:やまね)



 画像の上でクリックすると、写真が大きくなります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)